安全衛生マガジン3月号
1.【日々安全】
【現場で安全指示が正確に伝わっていると思いますか?】
日ごろの安全指示はうまく伝わっているかとの問いに
「いつも正確に理解している」と思うと答えたのは、わずか8.5%
だそうです。皆さんの実感はいかがでしょう。実に9割以上の人が、
正確に伝わったのか、不安に感じています。

次に安全指示がうまく伝わらない原因として
- 指示を出す人に関する原因
- 指示を受ける人に関する原因
- 指示の内容に関する原因
- 指示の伝え方に関する原因
の4つに分類できます。
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指示を出す人が、危険がどこに潜んでいるのか、安全確保のポイントは何かなどを
把握するには、次の3つの点が重要です。
- 作業者がどのような手順で作業をするのか、どのような動線で作業するのか、
いつ機械を使うのかなどを頭の中でイメージできるようにする。その上で、
危険なポイントを見つけていく。 - 可能な限り、何度も現場に出て、刻々変わる作業状況を常に把握しておく。
- 労働安全衛生法等の安全関係法規を十分に理解する。

ポイント
- 現場では危険意軽視によるヒューマンエラーが多く、やっかいです。
- 指示をうまく伝えるためには、指示を受ける人の安全意識の向上、
安全教育は重要な課題です。 - さらに、安全指示を聞かない作業者がなくならないことを前提に、その
指示が守られているかどうか、実際の作業を見て確認することが重要になる
のです。

ポイント
- 上からの押しつけられた安全指示が、マンネリ化したものであれば、
誰も耳を傾けない。 - 指示を出す方が具体的にはっきりと理解できていないのであれば、指示を
出す人の頭の中で描いているイメージを、どうして指示を受ける人が実践して
くれるのでしょうか。
あいまいな指示をなくす基本は、「いつ」(When)、「どこで」(Where)、誰が(Who)、
「何を」(What)、「なぜ(目的)」(Why)、「どのように」(How)の5W1Hを明確にする
ことです。

ポイント
- 指示を出す人と指示を受けた人が、作業イメージを共有できるように、
写真、イラスト、図面などを用いる。 実際に作業する場所で指示をする。 指示の内容が伝わったかどうか、質問し、確認する。 現場ではトップダウンに加え、作業者の意見を吸い上げる、いわゆる
ボトムアップを組み合わせることが重要です。

指示がうまく伝わらない原因は、指示を出す人、指示を受ける人、指示の内容、
指示の伝え方それぞれの原因が絡み合い、どれとは特定できないと考えられます。
端的に言うと、現場で指示をうまく伝えるためには、この4つの原因をすべて
解決する工夫が必要であるといえます。
以上
2.【日々健康】
【災害後の復旧・復興における労働衛生対策】
東日本大震災の発生から3月11日に15年を経過します。被災地では復旧・
復興工事が継続されており、工事の際の労働災害が発生しています。これ以降も
平成28年4月には熊本地方を震源とする地震、平成30年7月には西日本を中心
とする豪雨、同年9月には北海道胆振地方を震源とする地震、近いところでは
令和6年の1月1日に能登半島を震源とする地震が発生しました、地震や豪雨以外
にも台風による甚大な被災が発生し、これらの被災地における復旧・復興工事に
おいても労働災害が発生しております。
皆様の事業所、建設現場、交通移動においても、いつ不測の災害が起きるかの
リスクを念頭において、災害後の復旧・復興時における労働者の衛生対策について
必要事項をまとめて、いざというときに実践できる体制作りが求められます。
- 復旧・復興時における健康管理
復旧・復興時における作業において作業者は以下のような有害要素にさらされる
可能性があり、健康管理に配慮する必要があります。
- 有害物質のばく露
自社における有害物、有機化合物の使用状況、種類等を網羅し、危険源マップ化して
労働者、関係外注工事業者に周知徹底しましょう。
- 感染症
災害発生後は衛生害虫の大量発生が想定され、がれきに含まれるレジオネラ菌、による
発症(レジオネラ肺炎、ポンティアック熱)、釘の踏み抜きによる破傷風など様々な感染症の
発症が想定されます。 - メンタルヘルス不調
被災した労働者にあっては、被災前と異なる生活、労働環境等による疲労蓄積、過重労働等
および多種多様な要因による高ストレス状態の継続、また外部から入った労働者についても
被災状況の光景を見たり、災害体験を被災者から聞く過程等で精神的打撃を受け、心や身体に
ストレス反応を起こすことも考えられます。
- 暑さ、寒さ、腰痛、転倒、作業機械との接触等
復旧・復興時にける作業では、作業に適した環境下で作業ができないことが想定され、暑さ、
寒さ、腰痛、墜落、転落、転倒等におけるリスク管理及び対策が求められます。
- 石綿等ばく露の防止
- 建設物等の解体・改修等にあたっての留意事項
石綿障害予防規則に基づき、建築物に石綿の含有の有無を事前に調査し、
石綿の含有が確認された場合は、作業計画や事前調査の結果の届出、作業主任者の
選任,特別教育の実施、隔離の措置、呼吸用保護具の使用など、労働者の石綿粉じん
によるばく露防止対策をとる必要があります。
・・災害が発生する前の今、皆さんの事業所における石綿含有マップを作成し、
自社の労働者、作業依頼する外注工事業者の健康障害防止を図るための措置を
行いましょう。
- 建材等のがれき処理等にあたっての留意事項
- 労働者が石綿粉じん等を吸い込まないようにするため、呼吸用保護具
(電動ファン付呼吸用保護具または防じんマスク) - 石綿粉じんの飛散防止のため、作業を開始する前に予め建築物等に
散水・薬液を使用することにより湿潤な状態にする。
3.【日々生活】
【「起きていないこと」を考えるとき幸せを感じられる】
あなたは、たとえばコレステロールを過剰に含むドレッシングのような、
いかがわしい製品の製造者だとしよう。あなたはその製品をどのように
売り出すだろうか?
おそらくパッケージにはドレッシングに含まれる二〇種類のビタミンだけを
表示して、コレステロールの含有量についてはいっさい記さないようにするの
ではないだろうか。そうすれば、消費者はビタミンのほうに気をとられて、
コレステロールの問題には気がつかない。ポジティブな、そしてそこに存在して
いる製品の記述を見れば、安全な製品だと確信してくれるはずだ。
学術の世界では、絶えず「特徴肯定性効果」が起きている。学術的な仮説が
証明されると、ジャーナルに掲載され、素晴らしい業績だと認められれば
ノーベル賞を受賞することもある。しかし、逆に仮説の誤りを証明した場合は、
ジャーナルに掲載されることはない。
私の知る限り、そのことに対してノーベル賞を授与されたケースはまだ一度も
ない。仮説の誤りの証明も、学術的には仮説の証明と同じくらい価値がある
はずなのだが。 「特徴肯定性効果」のために、私たちはネガティブなアドバイス
(Xはしないほうがいい)より、ポジティブなアドナイス(Yはしたほうがいい)
のほうに耳を傾けてしまう。 ――それらが無益か有益かは、その際あまり問題には
ならないのだ。
結論、私たちは「起きていないこと」について考えるのが不得手だ。「存在しない
もの」は認識できない。
戦争中は戦争が起きていることを実感できるが、戦争がなく平和な時にはそのことに
気づけない。 健康な時には、自分も病気になることがあるのだという意実はほとんど
認識していない。スペインのマジョルカ島で飛行機から降りて、墜落せずに無事に目的地に
着いたことに驚いたりもしない。
ときには「起きていないこと」について考えてみさえすれば、私たちはいままでより
ずっと満ち足りた気持ちになる尾ではないだろうか。
一方、「ない」ことについて考えるのは骨が折れる。哲学の分野には「なぜ何もないのでは
なく、何かがあるのか?」というものごとの存在理由を問う有名な問題がある。すぐに
答えの出る問題ではないが、この問いかけは「特徴肯定性効果」に抗うための有効な手段である。
出典:「Think Smart」ドルフ・ドベリー(著) 安原 実津(訳) サンマーク出版刊より抜粋
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- 「職長教育・安全衛生責任者教育」
- 令和8年4月23日、24日
- 令和8年7月23日、24日
- 令和8年10月15日、16日
- 令和9年1月14日、15日
- 「安全管理者選任時研修」
- 令和8年5月12日、13日
- 令和8年8月24日、25日
- 令和9年2月9日、10日
- 「安全衛生推進者養成講習」
- 令和8年6月24日、25日
- 令和8年12月17日、18日
- 「職長能力向上教育」
- 令和8年7月29日
詳細は久留米労働基準協会にお尋ねください。(TEL:0942-34-5531)
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