安全衛生マガジン2月号

1.【日々安全】

【安全装置を無効にするという意味とは】

 朝一番に、その事故の連絡は入りました。

 それは、週末に作業員の一人がロールとスリープ(製品を送り出すための
ベルト)の間に腕を挟まれたというものでした。作業員は腕を開放骨折し、
神経断裂もあったため、その日のうちに手術が行われました。

 ところが発生場所を聞き、すき間のあるような場所ではないはずなのになぜ?
なぜ装置稼働中に手を入れたのか?安全装置は?経験のある作業員がどうして?

いくつもの疑問がわいてきたのです。そこで、すぐに現場に駆けつけました。

 確認した事故の経緯は次のようなものでした。製品に汚れが出てしまっていた
ため、それを解消しようと、原因と思われるスリープ表面の清掃作業を行った
のですが、改善が見られませんでした。そのため、ベルトの裏面に原因があるのでは
と考えた作業員が、設置されていた製品の位置検知用センサーを取り外し、すき間を
作った上で、手を入れて清掃作業を行いました。その際、生産工程の遅れを気にして
装置を止めず、稼働したまま作業を行ってしまいました。その結果、ロールとスリープの
間に腕を挟まれて大ケガを負ってしまったのです。

 可動部にはカバーが設置されていました。しかし、普段から稼働中にスリープ表面の
清掃作業を行えるように、カバーオープン時に対するインターロックのセンサーは、
取り外された状態で運用されていました。そうしたことで、作業員は装置を止めることなく、
容易に可動部に手を入れることが出来てしまいました。

 作業に対する慣れから、「装置の稼働中に可動部に手を入れることは危険であり、
してはならないことである」という当然のことを無視した、作業員個人の不注意の
結果だと言ってしまうこともできるでしょう。しかし、作業員の安全より、生産効率を
優先させ、普段から装置の稼働中に清掃作業を行っていたこと、そのために、あるべき
安全装置を取り外していて問題としていなかったこと、それは職場全体の安全への意識の
低さから今回の事故が起こってしまったのです。

 生産効率の向上は常に求められる課題ですが、それと同様あるいはそれ以上に求めて
いかなければならないのが、作業者の安全なのです。職場の安全への意識、それはそこに
いる一人ひとりの意識です、しかし、ちょっとした気の緩みから揺らいでしまうものなの
です。どんなに素晴らしい安全装置でも、取り外してしまっては意味がないのです。

 一人ひとりが常に気を引き締め、安全への意識を持って業務を行っていく。常にそうあって
欲しいものです。

出典:「安全衛生3分間スピーチ7」より 内藤 博光氏録  中央労働災害防止協会刊より抜粋

2.【日々健康】

【働く者の心の健康法】

 ここでは、職場の管理者、産業医、人事・保健・心理相談担当者などが、職員の心の健康づくりを
進めるうえで望ましい方策について、職場メンタルヘルスケアの臨床事例を基礎にして、いくらか
考察する。

 

 第一は本人が担当する職務を十分にマスターすることである。

 いくらサラリーマンとしての生き方や人生論を読ませたとしても、また自律訓練法を習得したり、
ヨーガとか禅などの修養会に入らせたとしても、本人自身が職務をマスターしていなければ、当然
心は不安定になる。例えば中高年者に新しいIT機器を習得させる場合、若い者よりも時間のかかる
者がいるだろうが、研修時間を少し長くするとか、適当な指導者を付けるなどして、十分にマスター
させる配慮が望まれる。

 新人研修を行う企業は増えてきたが、管理監督者に昇任させた者の実務研修を十分にする配慮も、
本人にとっても企業にとってもメリットが大きいと思う。

 ともかく、職務を十分にマスターさせることが、個人の精神安定の基礎になる。その結果自分の
仕事に“はり”を持つようになるであろうし、後輩への助言や職場の雰囲気をよくしようとする心の
“ゆとり”を持つことにつながるであろう。

 第二は、職場の人間関係を大切にさせることである。

 少なくとも、出社時や退社時には「おはよう」「さようなら」とお互いに大きな声をかけ合うような
指導が望まれる。

 また、若者は職場の上司と仕事のことを話題にして、酒を飲むのを嫌がる傾向にあるので、話題を
十分に配慮すべきである。人間として酒を飲みかわす「ノミュニケーション」は、メンタルヘルス面で
大きな効果があり、相互の信頼関係の基礎になることもある。なお、企業団地などでマイカー通勤が多く、
アフターファイブに「ちょっと一杯」ができない職場では職場の人間関係がギスギスするようである。

 第三は趣味的なことやクラブ活動などを奨励し「本人に合った」気分転換法を若い時から体得させる
ことである。

 若い者の中にも、仕事人間的で有給休暇を取らない者が少しはいる。このタイプの者には無理にでも
休暇を取らせて、できれば同じ職場の者とともにできる趣味や運動をさせ、気分転換・ストレッチ発散法を
マスターさせるに指導することは、将来的に本人や会社にとってプラスになるであろう。

 第四は、家庭ことに配偶者とのコミュニケーションをよくさせることである。近年増加する一方である
離婚を防ぐためにも。

 配偶者との人間的な相互理解が確立しておれば、本人が心の病気になっても、その多くは立ち直り得る
というのが臨床経験的事実である。また、家族の一人ひとりの精神安定は、本人の心の健康を支える
原動力にもなる。なお、仕事がとくにない場合、管理者が定時に帰宅すると、部下も早く帰宅できる。
その家族も含めメンタルヘルス面でプラスになるであろう。

以下略

出典:「これからの職場のメンタルヘルス」 藤井 久和著 創元社刊 より抜粋

3.【日々生活】

【しなくていい我慢・見逃していい例外】

 あなたを犠牲にしようとする人たちが好んでつかう手の一つに、「先週いらしたご婦人」と
いうのがある。もちろん、ご婦人に限っているわけではなく、この部分を、「男性」あるいは
「カップル」「みなさま」などに変えてもいい。だがどういうわけか、「ご婦人」が使われる
場合が一番多い。

 たとえば、伝票の金額について問いただすと、二倍も払うはめになったご婦人の話をされ、
それに比べれば安く済んであなたは幸運だ、などと言われる。あるいはまた、ナイトクラブで
いい席がとれない場合には、トイレの近くの隅の席に座らせながらもショーを楽しんだ、という
婦人の話が出てくる。同様に、頼んだ品物が二週間も遅れて届いたときには、四か月も待たされた
ご婦人が登場するのである。

 いずれも、ただ丁重に扱ってもらいと要求しているだけである。けれども、もし彼らが、丁重に
扱わないことは悪いことだと別段感じていなければ、必ずや彼らの小さな犠牲袋の中から“哀れな
ご婦人”が引っ張り出されてくる。哀れな彼女たちの例が出されたときは気をつけることだ。巧妙な
話を聞かされて、犠牲の薬を飲まされるはめになりかねないからである。

 あるいはひょっとすると、あなた自身が店員であったり、他の人を犠牲にする立場にいたりするかも
知れない。守る必要のない職場の規則を無理やり押し通して、他人を犠牲にしなければならないなど。

 このような立場の場合は、道理に適った例外を認めようとすると逆に同僚ににらまれ、今度は
自分自身が犠牲になっていることに気づかざるを得ない。そうして、次第にあなたはいつもこう嘆く
ようになる。こんな例外を認めようものなら職を奪われたり、何か恐ろしいことが起きるに違い
ない、と。

 もちろん、こんなことはあり得ないデタラメである。過去から今に至るまで、ずっと、加害者という
名の悪者どもが利用してきた逃げ口上に過ぎないのである。

 規則などというものを、大声をあげ、ヒステリックになってまで守らせる必要はさらさらない。
特殊なケースで適用できないというなら、黙って見逃せばいいのである。どんなときに融通をきかすかで、
あなたの「常識」がどの程度なのかがわかる。

もちろん、規則を見逃す人を大っぴらに言いふらす必要はない。ただ、どの規則を守らせるときにも
常に自分の人間的価値を賭けてやる、などといった大袈裟な考えはやめることだ。そうすれば、少々大目に
見るくらいは容易なことだと気づくだろう。

他人を徹底的に犠牲にするような、そんな規則を押し通している自分に嫌気がさしたなら、こう自問して
みればいい。「どうして自分独自の価値観よりも、こんな仕事のほうを重要視するのか」、と。

出典:~「頭のいい人」はシンプルに生きる~ 
ウェイン・W・ダイヤー著 渡部 昇一訳 三笠書房刊 より抜粋

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   2月の弊職が担当講師の安全衛生教育のご案内

  2月12日(木)、13日(金) 「安全管理者選任時研修」

詳細は久留米労働基準協会にお尋ねください。(TEL:0942-34-5531

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